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社名(商号)の商標登録は必要?

社名(商号)を商標登録している会社は多いですが、「社名(商号)」ってそもそも商標登録しないといけないものなんだろうか、と気になった方もいらっしゃると思います。そこで、社名(商号)を商標登録すると何が違うのか、解説します。

1.会社の「商号」(社名)とは?

「商号」とは、会社の正式名称で、登記されます。株式会社の場合は、必ず商号に「株式会社」を入れなければいけません(会社法6条2項)。たとえば、「博多ステーキ株式会社」といった具合です。

商号は、同じ本店住所で同じ商号の会社がある場合は、その商号にすることはできません(商業登記法72条参照)。不正な目的で他の会社と誤認されるような商号を付けることもできません(会社法8条1項)。いいかえると、本店住所が違えば、ほかの会社と同じ商号をつけることはできます。ただ、他の会社と混同させようとするような、不正な目的であればダメということです。

2.商標とは?

商標とは、ひらたくいえば、商品・サービスを提供する業者が、その商品・サービスについて使っている目印(文字、図形、記号、立体的形状、色彩、音など)です。たとえばさきほどの「博多ステーキ株式会社」という会社が、「博多ステーキ」という名前でステーキレストランをやっているとすると、「博多ステーキ」という言葉(文字)を、飲食物提供というサービスの目印として使っているので、商標ということになります。

商標は、商号とは違って、たとえ提供する業者の本店住所が違っても、先に同じ、または似た商標が、同じ、または似た商品・サービスで登録されている場合は、登録することはできません。

3.自社の社名を、他社が先に商標登録してしまっていたら?

では、もしほかの会社が先に「博多ステーキ」を、飲食物提供について商標登録していたら、どうすればいいでしょうか。

まず、「博多ステーキ株式会社」という社名はそのままでいいかというと、社名はそのままでいいです。また、HPの「会社情報」にふつうにその社名を書くこともできます。「博多ステーキ」は他社に商標登録されてしまっているのですが、自社の商号である「博多ステーキ株式会社」を、普通に用いられる方法で表示することは許されるためです(商標法26条1項1号)。普通に用いられる方法というのは、商品やサービスの提供者名を普通に記載しているような場合で、フォントや文字のサイズも目立たせることはできないと考えられます。なので、HPの会社情報でも、フォントなどで目立たせるのはやめた方がいいです。

しかし、たとえば食事を提供する食器やナプキンに「博多ステーキ」と目立つように表記して食事を提供したり(商標法2条3項3号・4号)、ホームページに「博多ステーキ」と目立つように書いたり、お店に「博多ステーキ」という看板を出すこと(商標法2条3項8号)はできません。そうすると、店名は変えざるを得ないでしょう。

このように、社名(商号)を使って積極的にPRしていきたいのであれば、他社に商標を取られる前に先に商標登録しておく必要があるということになります。

[ディスクレイマー]
本コラムは、お客様の参考として一般的な情報を提供するものであり、具体的な法的助言を意図したものではありません。また、分かりやすさを保つため、法的には厳密さを欠く表現にしている部分も多くあります。実際の事案を検討される際には、必要に応じて専門家にご相談ください。

2024.5.31

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事務所代表 弁護士

宗像孝純 プロフィール・保有資格

2001 年一橋大学経済学部卒業。国内証券会社勤務を経て、東京大学法科大学院に入学・卒 業後、2009 年に弁護士登録。大手法律事務所で 4 年半ほど勤務した後、外資系証券会社、 HR 系スタートアップ 、IT・金融系メガベンチャーの組織内弁護士を経て、2024 年に独立 し宗像国際法律事務所を設立。取扱分野は、M&A、コーポレートガバナンス、スタートア ップファイナンス、紛争処理その他企業法務全般。米国公認会計士(Inactive)、日本証券 アナリスト協会認定アナリスト、情報セキュリティマネジメント試験合格者。
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